Journal — N-BRIDGE BLOG| AX(業務のAI移譲)
ChatGPTに自社サイトを見つけてもらうには。中小企業のLLMO対策の入り方。
2026.10.23
「ChatGPTに聞いてみたら、競合の名前は出てきたのに、うちの会社は出てこなかった」。
最近、こうした声を聞くことが増えました。
結論から書くと、AI検索への対策(LLMOやAIOと呼ばれます)は、特別な新技術ではありません。
AIが引用しやすい、根拠のはっきりしたページを地道に揃えることで、中身はSEOの基本とほとんど地続きです。
そして後で実測を示すとおり、AI経由の流入は現時点ではまだ小さく、高額なツールや流行りの施策に慌てて飛びつく段階でもありません。
この記事では、検索のされ方がどう変わっているかをデータで確認したうえで、中小企業が自力でできることと、今はやらなくていいことを分けて説明します。
筆者(永松裕章)は大阪でAI研修とAX支援の会社を経営しながら、自社サイトでSEO記事の運用と、アクセス実測の週次レビューを続けています。
調べ物の入り口が、検索からAIに広がっている

まず、何が起きているかを数字で見ておきます。
ChatGPTの週あたり利用者は、2025年10月にOpenAIのアルトマンCEOが8億人を超えたと公表しました(出典:TechCrunch)。
Google検索にも変化があります。
日本では2025年9月から、質問文のまま調べられる「AIモード」が日本語で使えるようになりました(出典:Web担当者Forum)。
行動の変化を測った調査もあります。
米国Pew Research Centerが約900人の検索行動(約6.9万件)を分析したところ、AIによる要約が表示された検索では、従来の検索結果のリンクをクリックした割合は8%で、要約が出ない検索の15%からほぼ半減していました。
さらに、要約の中に付いた引用リンクがクリックされたのは1%でした(出典:Pew Research Center、2025年3月の米国データ)。
つまり、ページを開かずに答えだけ受け取る行動が増えています。
ホームページには「人が訪れる場所」に加えて、「AIが読んで、答えの根拠に使う元ネタ」という役割が加わりつつあります。
当サイトの実測。AI経由の流入は、まだ小さい

では、中小企業のサイトでAI経由の流入は実際どれくらいあるのか。
筆者の会社では、自社サイトのアクセスデータをAIに毎週読ませてレビューする運用を続けています。
その実測を示します。
2026年5月中旬から10月下旬までの約5か月で、流入元を記録できたセッションは約1,200件でした。
このうち、ChatGPTやGeminiといったAIサービスから来た訪問は6件です。
割合にすると0.5%ほどで、検索やSNS経由と比べるとまだ誤差の範囲といえます。
この数字の読み方は2つあると考えています。
- ① AI経由の訪問が売上を左右する段階には、まだなっていない。高額な対策に慌てて投資する理由は薄い
- ② ただしゼロではない。AIが自社サイトを読んで答えに使う動きは、小さく始まっている
記事が検索で評価されるまでに時間がかかるのと同じで、AIに引用される土台も一朝一夕にはできません。
慌てる必要はないが、仕込みは今から始める。
これが実測から見える現実的な構えだと考えています。
LLMO対策でやることは、SEOの基本と地続き

AIは答えを作るとき、根拠にできるページを探して読み、出典として引用します。
そのため、AIに引用されやすいページの条件は、検索で評価されるページの条件とかなり重なります。
中小企業がまず自力でできるのは、次の3つです。
① 会社とサービスの情報を、文章で書いておく
何の会社で、どこにいて、何をいくらで提供しているのか。
この基本情報が、画像やPDFの中だけにあると、AIは根拠として引きにくくなります。
料金の目安、対応範囲、実績などは、ページの本文に文章で書いておきます。
「大阪でAI研修を提供している会社です」のように、自社が何者かをページの中で言い切ることが出発点です。
② 記事は結論から書き、数字には出典を付ける
AIの要約は、質問への答えになる箇所を探して引用します。
結論が冒頭にあり、主張の根拠に出典が付いているページは、引用の材料として扱いやすい形です。
先ほどのPewの調査では、AI要約の引用元は政府系サイトの比率が通常の検索結果より高いという結果も出ており、根拠のはっきりした情報が選ばれやすい傾向がうかがえます。
これは読者にとって読みやすい記事の条件と同じで、AIのために特別なことをするわけではありません。
③ 誰が書いたかを示す
記事に書き手の名前とプロフィールを付け、タイトル・説明文・日付・著者といった基本情報(構造化データ)を整えます。
匿名の情報より、経歴の分かる書き手の情報のほうが、根拠として引用しやすいためです。
当サイトでも、全記事に著者ページへのリンクと構造化データを入れる運用にしています。
飛びつかなくていいもの

一方で、今は様子見でいいものもあります。
① llms.txtなどの新しいファイル規格
AI向けにサイト情報をまとめる「llms.txt」というファイルが話題になりましたが、Googleのジョン・ミューラー氏は2025年6月に「現時点でllms.txtを使っているAIシステムはない」と明言しています(出典:Search Engine Roundtable)。
置いても害はありませんが、基本より先にやるものではないと考えられます。
② 効果を測れないままの対策ツール契約
AIにどう引用されているかを計測するツールも出始めていますが、まずは無料で分かる範囲で十分です。
GA4の参照元を見れば、ChatGPTやGeminiからの流入は数えられます。
筆者の会社でも、専用ツールは使わず、週次レビューの中でAI経由の訪問を確認しています。
現状の数字を知ってから、投資の要否を判断しても遅くありません。
入り口が変わっても、やることの軸は変わらない

AI経由の流入は、当サイトの実測ではまだ0.5%です。
ただ、ChatGPTの利用規模やAIモードの展開を見るかぎり、この入り口が太くなっていく方向は変わらないと考えられます。
そのとき引用されるのは、会社の情報が文章で明記され、結論と出典がそろい、書き手の顔が見えるサイトです。
どれも今日から自社で始められることで、差は蓄積で生まれます。
自社サイトの情報発信をどう仕組み化するかは、コンサルティングでご相談いただけます。
自社のAI活用の現在地をまず知りたい方は、AI活用診断をお使いください。
アクセスデータをAIに読ませる週次レビューの実際は、ホームページのアクセス解析にAIをどう使うかで詳しく書いています。
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