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Journal — N-BRIDGE BLOGAI研修

AI研修の費用相場と助成金の使い方。金額より先に確かめる3つのこと。

2026.09.14

AI研修を検討し始めると、最初に気になるのは費用だと思います。
ところが調べてみると、数万円の講座から数百万円の研修まで並んでいて、相場がよく分からない。
商談の場でも、そういう声をよく聞きます。

先に結論を書きます。

  • AI研修の費用に定価はなく、金額は①題材を自社の業務に合わせるか、②研修後のフォローが付くか、③時間と形式、の3つでほぼ決まります
  • 助成金は使えます。人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)で、中小企業は訓練経費の75%が助成されます
  • ただし2026年8月3日の改正で、汎用的なプロンプトの作り方を学ぶだけの訓練は対象外になりました

筆者(永松裕章)は大阪でAI活用支援の会社を経営し、単発の集合研修から、研修のあとの伴走支援まで、AI研修を売り手として提供しています。
料金を設計する側の実務から、順に説明します。

AI研修の費用に、定価はありません

電卓と白紙のノートを置いた机の俯瞰

まず、企業が研修にかけている費用の平均を見ておきます。

産労総合研究所の「2025年度 教育研修費用の実態調査」(プレスリリース)によると、従業員1人あたりの教育研修費用は年間36,036円でした。
中小企業に限ると31,788円です。

これはAIに限らない研修全般の、1年間の実績額です。
1回のAI研修の価格ではない点に注意が必要ですが、社員10人の会社なら研修予算は年間30万円前後が世の中の平均、という計算になります。

一方で、AI研修の見積もりを取ると、この平均に収まるものから大きく超えるものまで幅があります。
幅が出るのは、売られているものの中身が違うからです。

中身を見ないまま金額の大小だけで比べると、判断を誤ります。
そこで次に、何が金額を分けているのかを内訳から見ていきます。

何が金額を分けるのか。内訳は3つです

小さな会議室で行われる社内勉強会の様子

筆者は見積もりを作る側なので、金額がどこで動くかを内訳から説明できます。
大きく分けると、次の3つです。

① 題材を自社の業務に合わせて作るか

同じ半日の研修でも、既製のカリキュラムをそのまま実施する場合と、事前に業務の聞き取りをして自社の実際の課題を題材に組み直す場合とでは、講師側の準備時間がまったく違います。
価格差の大部分は、ここで生まれます。

既製型は安く、個別設計型は高い。
そして受講者が「これは自分の仕事の話だ」と感じて動き出すのは、個別設計型です。

② 研修のあとのフォローが付くか

研修は受けた直後が一番熱があり、そのままにしておくと元の仕事のやり方に戻りがちです。
そのため、研修後の質問対応や、定着までの伴走支援をセットにした商品は、その分高くなります。

研修のあとに社内で誰が回していくかという問題は、別の記事で詳しく書いています。

③ 時間と形式

講義を聞くだけか、実際に手を動かす演習を含むか。
半日か、複数回か。
人数は何人で、対面かオンラインか。

拘束する時間と場が大きくなるほど、金額は上がります。

なお、単発の研修であれば、契約の事務は重くありません。
筆者の場合、単発の研修は申込書と業務委託契約書を1通にまとめた書式で契約し、請求書は別に発行する形にしています。
発注する側の稟議や契約の手間が小さいことも、単発の研修が始めやすい理由のひとつです。

助成金は使えます。ただし2026年8月に条件が変わりました

朝の光が差すオフィス街の建物

AI研修に使いやすいのは、厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)です。

主な数字は次のとおりです(令和8年8月3日版パンフレットより)。

  • 経費助成:中小企業は75%、大企業は60%
  • 賃金助成:訓練を受けている時間について、中小企業は1人1時間あたり1,000円(大企業は500円)
  • 対象となる訓練:OFF-JT(通常の業務と切り離して行う訓練)で、実訓練時間が10時間以上のもの

手続きで一番重要なのは、順番です。

① 訓練開始日の6か月前から1か月前までに、労働局へ訓練計画届を提出する

② 計画に沿って訓練を実施する

③ 訓練の終了後に支給申請をする

研修を先に受けてしまってからでは、申請できません。
「良さそうな研修を見つけたのでもう申し込んだ」という段階では手遅れになるので、助成金を使うなら研修会社との日程調整と計画届の準備を並行して進める必要があります。

そして2026年8月3日の改正(変更点の通知)で、対象の線引きが変わりました。

  • 生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練は、特定の業務への具体的な適用を伴わない汎用的な内容であるため、助成対象外になりました
  • eラーニングによる訓練は、同一の労働者につき1年度1回までになりました

つまり「誰にでも当てはまるAIの使い方講座」は助成の対象から外れ、自社の業務にどう適用するかまで踏み込んだ訓練が求められる方向に変わっています。

助成金と似た言葉に補助金があります。
ツールの導入費用に使う「デジタル化・AI導入補助金」については、別の記事で解説しています。

なお、助成額の上限や細かい要件は、訓練の時間や内容によって変わります。
申請の前に、厚生労働省のパンフレットと管轄の労働局で最新の条件を確認してください。

金額より先に確かめる3つのこと

打ち合わせ用のテーブルで資料を前に話し合う二人の手元

見積もりを並べて金額で選ぶ前に、次の3つを確かめることをおすすめします。

① 題材が自社の課題になっているか

研修の目的は、AIの操作を覚えることではありません。
自社が実際に抱えている課題を、AIでどう解決できるかが見えるようになることです。

題材が汎用的だと、「いい話を聞いた」で終わりやすくなります。
助成金の改正が汎用的なプロンプト研修を対象外にしたのも、同じ方向を向いた変化だと考えられます。

② 研修のあとに誰が回すかが決まっているか

研修は受けて終わりではなく、そのあと社内で使い続ける人がいて初めて効果が出ます。
誰に受けさせるかを含めて、研修の対象者の決め方は別の記事にまとめています。

③ 助成金ありきで内容を曲げていないか

経費の75%という助成率は大きな数字です。
ただ、要件の10時間以上に合わせるために、必要のない長時間カリキュラムを組むのは本末転倒です。

自社に必要な研修を先に決めて、それが要件に合うなら助成金を使う。
この順番を守るだけで、研修選びの失敗はかなり減ります。

研修は、ゴールではなく入口です

朝の光が差し込むオフィスの入口

AI研修の位置づけは、AX(AIによる業務変革)に向けて、まず社員のAI知識をつける最初の一歩です。
1回の研修で完結する出費としてではなく、業務のやり方を変えていく取り組みの入口として費用を見ると、金額の判断もしやすくなります。

N-BRIDGEのAI研修は、事前に業務の聞き取りを行い、自社が実際に抱えている課題をAIエージェントでどう解決できるかを示すところまでを設計しています。

自社の場合はどこから手を付けるべきか。
それを確かめたい方は、無料のAI活用診断をご利用ください。

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